毎年のように繰り返される真夏の疾患『熱中症』。
この夏は日本だけでなく北半球の世界全体がここ最近異常な高温であり、子供からお年寄りまで全ての方にとって最もポピュラーで注意すべき疾患となっています。
対策としてはやはり水分と塩分の補給が重要ですが、気付かないうちに熱中症を悪化させないためにも、一人ひとりが症状とその時の欠乏している水分量を知っていることが予防に役立ちます。
以下の記述はだいたいの目安としてご利用いただければ幸いです。
<症状> |
<水分損失率> |
<例:大人(60kg)> |
<例:小児(20kg)> |
のどの強い渇き |
2~3% |
1.2~1.8L |
400~600ml |
吐き気 |
|||
食欲不振 |
|||
皮膚の紅潮 |
4~6% |
2.4~3.6L |
800~1,200ml |
体温上昇 脈拍上昇 |
|||
イライラ感 |
|||
頭痛 |
|||
筋痙攣 |
8~10% |
4.8~6.0L |
1,600~2,000ml |
言語不明瞭 |
|||
幻覚 |
|||
疲労困憊 |
これよりさらに水分を喪失すると、意識消失、多臓器不全、死亡など、重大な事態となってしまいます。症状に気付いた時点ですぐに失った水分の補給に努めましょう。また、一度に多量の水分は吐き気がある場合飲みづらいので、こまめに少量ずつとり、可能ならスポーツ飲料やOS-1など経口補水液を利用するなど、同時に塩分や糖分の補給にも努めてください。体重20kgの小児はだいたい小学校1年生ぐらいの子供と考え、幼児や小学校高学年では体重からおおよそ必要な補充水分量を計算してください。なお、水分摂取と同時に涼しい環境に移動して安静を保ち、体温上昇している場合は冷却を試みるとよいでしょう。
状況が改善しない場合は直ちに迷わず救急車を要請するようにしましょう。